「きみたちはきれいさ。でも空っぽだよ」と彼は続けた。

「誰も君たちのためにはしねない。

もちろん通りすがりの人はぼくのあのバラを見てきみたちと同じだと考えるだろう。

でもあれはきみたちをぜんぶ合わせたよりもっと大事だ。

なぜって、ぼくが水をやったのは他ならぬあの花だから。

ほくがガラスの鉢をかぶせてやったのはあの花だから。

ついたてを立ててやったのはあの花だから。

毛虫を退治してやったのはあの花だから。

愚痴を言ったり、自慢したり、黙っちゃったりするのを聞いてやったのは、あの花だから。

 

なぜって、あれがぼくの花だから」